岡山市で9月27日から2カ月にわたり開催されている、現代アートの国際展『岡山芸術交流2019 IF THE SNAKE もし蛇が』。20万人以上の観客を集める同展が、11月24日までと残りわずかとなった。
各地で芸術祭は数多く開催されているが、『岡山芸術交流2019』は名称に芸術祭をうたっていないように、そうした「祭」とはクオリティの高さで一線を画す。アーティスティックディレクターはフランス人のピエール・ユイグがつとめ、出品作家は欧米で活躍するアーティスト18組。
小学校のプールがピンクの液体に満たされ、その水面がぶくぶく隆起するパメラ・ローゼンクランツの『皮膜のプール(オロモム)』など、大掛かりな作品も多く見られ、日常の感覚を揺さぶられるような刺激的なアート体験が味わえる。
展示会場が、市街を代表する魅力的な場所にあり、巡りながら鑑賞できるのも楽しみのひとつ。「岡山後楽園」周辺エリア、「岡山市立オリエント美術館」、「岡山城廊下門」、「不明門」、近代建築家・前川國男の作品である「林原美術館」など、有名な観光スポットがアート作品と出合ってまったく違った顔に見える。
さらに、関連企画『A&C(Art&City)』の作品が、映画館、神社などに設置されて無料で鑑賞できる。緑が多くゆったりと歩きやすい岡山の市街地は、どこかヨーロッパの街のような趣も。『岡山芸術交流2019』は、この街が日本のどこにもない、アートと建築の街になっていこうとする動きを牽引する国際展としても必見だ。
また連携企画として、ニューヨーク在住の現代美術家・マシュー・バーニーの映像作品『リダウト』が、「シネマ・クレール丸の内」(岡山市北区丸の内1−5−1)で11月23日に上映。1回限りなので、お見逃しなく。鑑賞券プレゼントはこちら。
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