東京オペラシティアートギャラリーで「ジュリアン・オピー展」が開催されます。
イギリスを代表するアーティスト ジュリアン・オピー
イギリスを代表するアーティストの一人、ジュリアン・オピー(1958- )。点と線という最小限の視覚言語で構成された人物像やポートレート、風景などが、絵画、彫刻、映像そしてインスタレーションとして展開されます。オピーは1980年代よりヨーロッパのアートシーンで頭角を表し、その作品が世界の主要な美術館に所蔵されるなど、現代アートの歴史を語るうえでも欠かせない重要な存在となっています。
グラフィックデザインやアニメーションともシンクロするオピーの平面作品は、絵画という枠にとどまらないハイブリッドな魅力に満ち溢れています。また、オピーは日本の浮世絵のコレクターでもあり、輪郭線を強調した彼の特徴的な作風も浮世絵から着想を得ています。
ジュリアン・オピーの作品は、さまざまなジャンルが融合し、グローバル化がますます進行する現代において、重要な示唆を与えてくれることでしょう。
Walking in New York 1, 2019
日本の美術館での個展は11年ぶり
日本の美術館では11年ぶりに開催されるジュリアン・オピーの大型個展です。前回は2008年、水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催され、日本でのオピーの人気を決定的なものにしました。
ジュリアン・オピーといえば、輪郭線のはっきりした、目を黒い点で表現しただけの実にシンプルな、それでいてモデルの個性や性格が的確に伝わってくる、1990年代後半から2000年代半ばのポートレイトを思い浮かべるかも知れません。近年のオピーは、都市の通りを行き交う人々を表現した絵画や映像、都市のビル群やカラスの立体、田園風景や羊の彫刻、ジョギングする人々など、幅広い作品を制作しています。
本展は、作家自選による絵画、彫刻、映像など、本展で初めて公開される新作を中心に構成し、ジュリアン・オピーの現在を紹介します。
Towers 1, 2018
極限まで簡略化された人物像
オピーの近作では、以前のような人物の顔だけを描くポートレイトに代わって、人物の全身を側面から表現した作品が多くなっています。はっきりした輪郭線と透明感のある平明な色彩による表現は変わりませんが、顔はただ丸く描かれ、単純化、簡略化の傾向が強くなっています。
タイトルも同様に、刺青のある男性は《Tattoo》、ヘッドホンをして歩く女性は《Headphone》、携帯電話を手に持って歩く女性は《Phone》と簡素化されています。表現もタイトルも徹底的に抽象化されることで、世界中どこの都市にもみられる普遍的な人物が表現されているといえるでしょう。
Telephone, 2018
画面に見られる“動き”とオリジナルのBGM
LEDによって動きを表した《Running 1》《Running 2》では、表現はさらに単純化されています。画面の中を忙しくなく走る人物たちはどこか滑稽に見えてきますが、それは慌ただしい現代社会に生きる私たちの姿なのかも知れません。
また、会場内にBGMのように聴こえてくる音楽もオピーの作品の一部です。平面作品と立体作品に大胆に分けられた会場構成とともに、ジュリアン・オピーの作品世界を存分にお楽しみください。
Sam Amelia Jeremy Teresa 1, 2019
開催概要
期間
2019年7月10日[水]─ 9月23日[月]
会場
東京オペラシティ アートギャラリー[3Fギャラリー1, 2] 交通アクセス フロアマップ
開館時間
11:00 ─ 19:00 (金・土は11:00 ─ 20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日
月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月4日[日](全館休館日)
入場料
一般 1,200円(1,000円)、大学・高校生 800円(600円)、中学生以下無料
同時開催「収蔵品展067 池田良二の仕事」、「project N 76 末松由華利」の入場料を含みます。
収蔵品展入場券200円(割引は無し)もあり。
( )内は15名以上の団体料金
障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
Arts友の会会員は無料。(会員証をご呈示ください)
割引の併用および払い戻しはできません。
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
主催
公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛
ジャパンリアルエステイト投資法人
協力
MAHO KUBOTA GALLERY
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