高尾山の599ミュージアム

TAKAO 599 MUSEUMの展示例

世界一の登山者数を誇る高尾山ですが、その年間の登山者数は、富士山やエベレストを遥かに越える260万人超だそうです。
そんな高尾山の入り口あたりに、2015年8月に開設されたのが、TAKAO599 MUSEUMです。

地元のお友達に、なぜ599?と聞いたところ、高尾山の標高が599mだからだそうです。
さすが地元民。

TAKAO599 MUSEUM

TAKAO599 MUSEUM

TAKAO599ミュージアムは、観光・学習・交流の3つのコンセプトを持つ無料のミュージアムです。

展示されているものは、高尾山が誇る豊かな生態系・歴史・文化などの中心に、昆虫・植物・毒キノコ・動物などが展示されています。
また、体験型のワークショップも複数企画されています。

初めて入りましたが、デザインが統一され、展示方法もおしゃれな感じです。
奥の壁面にはサイネージが設置され、高尾山のことをグラフィカルに表示しています。
公立施設でここまでおしゃれにできるものなのでしょうか。

白く開放的なガラス窓を持つ室内の展示スペース

白く開放的なガラス窓を持つ室内の展示スペース

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違う視点で考察 運営の仕方

今回は展示の仕方ではなく、このミュージアムの運営手法について考察したいと思います。

このミュージアムは、八王子市が発注主体となり、設計は東畑建築事務所、全体のアートディレクション(アイデンティフィケーション)は日本デザインセンター 大黒デザイン研究室、建築は三友建設が施工し、総事業費は約14億円だそうです。

そして、施設の運営は、指定管理者制度で、株式会社京王エージェンシーです。
なるほど、鉄道会社が運営を取りまとめていたのですね。

公共施設の管理・運営を、株式会社をはじめとした営利企業・財団法人・NPO法人・市民グループなど法人その他の団体に包括的に代行させることができる制度のことです。
つまり、民間のノウハウを使って、効率的に運営・集客し、適度に収益を取ってもいいですよ、ということです。

公共施設の運営主体が自治体である場合、サービス向上の視点や接遇のノウハウがなかったり、問題を認識していても、諸事情により改善に至らないことがあります。
また、いかに効率的に運営していくかという点で、その運営コストが民間と比較し適正かどうかの判断が付きにくく、総じて高額な運営コストになったり、これを指摘されてしまうと極端にコスト削減で人件費を削ってしまったりするケースもあります。

今回の指定管理者の制度を以下に示します。(抜粋)

ミュージアムの運営方法

599ミュージアムの運営方法「八王子市高尾599ミュージアム管理運営業務仕様書」より抜粋

ミュージアムの運営は、通常ですと入場料などを徴収し、これを充てることができますが、599は無料ですので入場料等はありません。
そこで、八王子市が運営についての「指定管理委託料」を指定管理者に払い、このコスト内でうまくやってね、とするわけです。

今回の「実施計画に基づく指定管理料を含む運営管理の額」は99,000千円/年となっています。
市が委託料を払う一方で、利用状況の収支を毎年市に提出する必要があり、一定の増収により黒字化してしまった場合は、「市行政財産使用料条例」に基づき、収益の一部を上納する制度(上限:売上額の30%)もあるのです。

市にしてみれば、運営費をギリギリ負担し、収益上がれば上納金を得、これをもって建物の事業費に充てるということができます。

正直、年間9,900万円ってとても高そうに見えますけど、月額825万円で人員のやりくり、新たなイベントの企画・実施、レストランの運営(レストラン経営って厳しいのです・・・)もあり、利益は出しにくいのだと思います。

事業者は、この施設単体での収支どうこうではなく、鉄道と周辺の観光環境の整備により、全体での経済効果を高めることと、社会的貢献という二つの視点があると思います。

人をひきつけるミュージアムがこれからも上手く運営されていくことに対する期待と、また高尾山が混むなーというデザインと経営の考察でした。

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