東京都美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」

コートールド美術館展 魅惑の印象派 Masterpieces of Impressionism: The Courtauld Collection 2019年9月10日(火)~12月15日(日)

東京都美術館では、2019年9月10日(火)~12月15日(日)、「コートールド美術館展 魅惑の印象派 Masterpieces of Impressionism: The Courtauld Collection」を開催します。

スポンサーリンク

コートールド美術館展 魅惑の印象派

ロンドンにあるコートールド美術館のコレクションから、印象派・ポスト印象派の作品を紹介します。

実業家サミュエル・コートールドが収集したコレクションを核に1932年に設立された同館は、美術史や保存修復において世界有数の研究機関であるコートールド美術研究所の展示施設です。本展覧会では、その研究機関としての側面にも注目し、画家の語った言葉や同時代の状況、制作の背景、科学調査により明らかになった制作の過程なども紹介し、作品を読み解いていきます。

Samuel Courtauld, © The Samuel Courtauld Trust, The Courtauld Gallery, London
Samuel Courtauld © By courtesy of the Courtauld Institute of Art, London

日本の風景のようだと語られたファン・ゴッホによるアルルの風景《花咲く桃の木々》、19世紀後半の近代都市パリの風俗を映すルノワールの《桟敷席》やマネの《フォリー=ベルジェールのバー》、科学調査が作品の秘密を解き明かしたゴーガンの《ネヴァーモア》やモディリアーニの《裸婦》などをはじめ、選りすぐりの絵画・彫刻約60点を展示します。

Vincent Willem van Gogh 014.jpg
《花咲く桃の木》 1888

コート―ルド美術館とは

コート―ルド美術館(2021年まで改修のため閉館中)は、ロンドン大学に付属するコート―ルド美術研究所の美術館として1932年に開館しました。今も世界有数の美術史と保存科学の研究の場としてよく知られていますが、その美術館の核となったのが、英国の実業家サミュエル・コート―ルド(1876-1947)の収集したフランスの印象派・ポスト印象のコレクションです。

https://assets.courtauld.ac.uk/wp-content/uploads/2015/05/31145103/Somerset-House-aerial-image-1500x400.jpg

コート―ルド家は、18世紀末から絹織物を生業としていましたが、20世紀初頭に人口シルクの製造に参入し巨額の富を築いていきました。事業が拡大する中、サミュエル・コート―ルドは1921年に会長に就任し、その翌年から絵画の購入を始めました。彼が収集に力を入れたのは、妻エリザベスが亡くなる1931年までのことです。

驚くべきことに、本展度も展示されるマネやルノワールらの代表作を含む素晴らしいコレクションのほとんどは、10年にも満たない期間で形成されたのです。

コート―ルドは、フランス印象派・ポスト印象派の作品がまだ広く評価されていない英国の状況を憂い、個人の収集だけではなく、国の美術館が作品を購入するための基金を創設しました。例えば、現在ロンドンのナショナル・ギャラリーに所蔵されるファン・ゴッホの《ひまわり》やジョルジュ・スーラの《アニエールの水浴》は、コート―ルドが選定に携わり、その基金で購入された作品です。

A photograph of the painting A Bar at the Folies-Bergère. A woman stands forlornly at a bar filled with champagne and beer bottles, her reflection, and that of the dance-hall, is caught in the mirror behind her.
Edouard Manet (1832 – 1883), A Bar at the Folies-Bergère, 1882, ©The Samuel Courtauld Trust, The Courtauld Gallery, London

もちろん、現在コート―ルド美術館に所蔵される作品群も、個人の楽しみだけに収集されたものではありません。

コート―ルドは芸術には異なる人種や時代を超え、広く人々を啓発する力があると考えていました。

また、彼の基金やコレクションは、英国における印象派・ポスト印象派の評価を確固たるものとする大きな一助となったのです。

見どころ

マネ 晩年作の傑作《フォリー=ベルジェールのバー》来日

〝印象派の父″エドゥアール・マネの人生最後の大作《フォリー=ベルジェールのバー》(1882年)が約20年ぶりに来日。主人公の女性の謎めいた表情、鏡に映る人物の不思議、卓上のガラスの蠱惑(こわく)的なきらめき…人々を魅了してやまない傑作中の傑作をご堪能ください。

ルノワール、セザンヌ、ゴーガン 巨匠たちの有名作品が勢ぞろい

印象派・ポスト印象派の殿堂として世界的に知られるロンドン、コートールド美術館の名作がこぞって来日。マネの他、セザンヌ、ルノワール、ドガ、ゴーガン、ロートレックら巨匠たちの画集に欠かせない傑作が目白押し。中でも英国一のセザンヌの油彩10点は必見です。

名画を読み解く

コートールド美術館は、世界有数の研究機関であるコートールド美術研究所の展示施設。この側面に注目し、本展では〝名画を読み解く″上質な鑑賞法を提案します。画家の語った言葉から、時代背景から、そして科学的な研究の成果から作品を深掘り。名作とのより深い対話をお楽しみいただきます。

開催概要

展覧会名

コートールド美術館展 魅惑の印象派

会期

2019年9月10日(火)~12月15日(日)
※9月18日(水)、10月16日(水)、11月20日(水)はシルバーデーにより、65歳以上の方は無料。
そのため混雑が予想されます。

会場

東京都美術館 企画展示室
〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
https://www.tobikan.jp

開室時間

9:30 – 17:30
※金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)

休室日

月曜日、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
※ただし、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開室

主催

東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、NHK、NHKプロモーション

後援

ブリティッシュ・カウンシル

協賛

凸版印刷、三井物産、鹿島建設、ダイキン工業、大和ハウス工業、東レ

協力

日本航空

巡回展

  • 愛知展期間…2020年1月3日(金)~3月15日(日)
    会場…愛知県美術館 〒461-8525 名古屋市東区東桜一丁目13番2号
  • 神戸展期間…2020年3月28日(土)~6月21日(日)
    会場…神戸市立博物館 〒650-0034 兵庫県神戸市中央区京町24

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA