瀬戸芸、初の110万人超え 会場別では直島が首位

現代アートを活用した地域再生に光が照らされた。香川、岡山両県の島々をアートで彩る瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)2019の来場者数は、全体を通じて過去最多の117万8484人だった。前回16年と比べて13%増え、初めて110万人を超えた。瀬戸内の豊かな自然、歴史・文化を伝える国際芸術祭としての存在感を高めた107日間だった。

瀬戸内国際芸術祭2019の来場者数の首位は直島(1日、香川県直島町)

実行委員会が7日、春・夏・秋の3会期を合わせた来場者数を発表した。瀬戸内の12の島と高松港(高松市)、宇野港(岡山県玉野市)で開かれ、会場別では現代アートの聖地と呼ばれる直島が30万3778人で首位。小豆島が18万6098人、豊島が14万3373人で続いた。

今年の瀬戸芸は4月26日に開幕し、初めてゴールデンウイーク(GW)と会期を重ねた。夏と秋に台風による休止の影響を受けたが、瀬戸内の自然や歴史・文化と調和する新作を相次ぎ投入したことが奏功。高松空港の国際線の増便や、高松市内のホテルの増加など観光客の受け入れ態勢も充実した。

瀬戸芸の総合ディレクター、北川フラム氏は「びっくりするようなことが起きた」と今年の瀬戸芸を振り返る。欧米メディアが相次ぎ19年の行くべき場所として「SETOUCHI」を取り上げる追い風が吹いた。運営を支えるボランティアも海外から多くの人が駆けつけ、企業も瀬戸芸に深く関わるようになった。

今年の瀬戸芸には、アジアから美術関係者や自治体の職員なども多く訪れた。「近代化に伴う問題をどう解決しようとしているのか。そこへの関心が高い」と瀬戸芸に協賛する福武財団(香川県直島町)の金代健次郎理事は指摘する。

中国における都市と農村の格差の問題など、アジアの国々も地方を元気にする手法を探している。過疎化や少子高齢化を抱える課題先進地の瀬戸内の島々がアートによる地域振興で変われるのか、アジアの国々はそこに目を向ける。

瀬戸芸は3年に1度の開催で、次回は22年を予定する。それまでの期間を各地域がどう過ごすかが、重要になる。

総合ディレクターの北川氏は今回の瀬戸芸で、実は未来への種まきをしている。伊吹島はインドネシア、粟島はベトナムといったように、アジアの国々とつながりが生まれるように新作を投入したりイベントを開催したりした。

地元が主体的に交流の輪を広げていってこそ、持続的な発展への道が見えてくる。瀬戸芸が掲げる「海の復権」はまだ道半ばだ。

プレスリリース

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