クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime
現代のフランスを代表する作家、クリスチャン・ボルタンスキー(1944年-)の活動の全貌を紹介する、日本では過去最大規模の回顧展です。作家は1960年代後半から短編フィルムを発表、1970年代には写真を積極的に用いて、自己や他者の記憶にまつわる作品を制作し、注目されます。1980年代に入ると、光を用いたインスタレーションで宗教的なテーマに取り組み、国際的な評価を獲得。その後も歴史や記憶、人間の存在の痕跡といったものをテーマに据え、世界中で作品を発表しています。
本展では、50年にわたるボルタンスキーの様々な試みを振り返ると同時に、「空間のアーティスト」と自負する作家自身が、展覧会場に合わせたインスタレーションを手がけます。
みどころ
日本で過去最大規模の回顧展
1970年代から国際的な活動を続けてきたボルタンスキーは、これまで個展が開催されるなど、日本でも高い人気を誇ります。本展には、作家蔵を多く含む貴重な代表作の数々が集結。半世紀におよぶ作家活動をたどる、過去最大規模の回顧展となります。
作家の多彩な表現が一堂に
写真、書籍、電球、衣服など多様なメディアを用いて、集団や個人の記憶、そして宗教や死にまつわる作品を制作してきたボルタンスキー。本展では初期代表作から最新作まで、様々な表現方法を駆使した作品約45点を一挙にご紹介します。
自らを「空間のアーティスト」と呼ぶボルタンスキー。「展覧会をひとつの作品のように見せる」と語ります。本展では初期作品から最新作までを時代順に紹介するのではなく、作家自身が個々の作品を組み合わせ、一つの大きなインスタレーションとして構成する予定です。会場では配布するマップを片手にご鑑賞ください。
クリスチャン・ボルタンスキー
CHRISTIAN BOLTANSKI
ロシア系ユダヤ人の父とコルシカ出身の母のもと1944年にパリで生まれる。1968年に短編映画を発表し、1972年にはドイツのカッセルで開かれた国際現代美術展のドクメンタに参加して以降、世界各地で作品を発表する。
1980年代後半には、ナチス・ドイツの犠牲になったユダヤ人を暗示するかのような写真を制作する。1990年代以降は大規模なインスタレーションを数多く手がけるようになる。1990–91年にICA名古屋と水戸芸術館で個展を開催。以来日本とも密接な関係を築き、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟)には第1 回から参加し、2010年に「瀬戸内国際芸術祭」(香川)が開かれた折には《心臓音のアーカイブ》を豊島に開館する。
2001年にはドイツでカイザーリング賞を、2006年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。現代のフランスを代表する作家として知られる。
《ミステリオス》 2017 / ビデオプロジェクション(HD、約12 時間)、3 面のスクリーン / 作家蔵
© Christian Boltanski / ADAGP, Paris, 2019, Photo © Angelika Markul
《保存室(カナダ)》 1988 / 衣類 / 作家蔵
© Christian Boltanski / ADAGP, Paris, 2019, © Yedessa Hendeles Art Foundation, Toronto, Photo by Robert Keziere
《発言する》 2005 / 板、コート、ランプ、サウンドボックス / 作家蔵
© Christian Boltanski / ADAGP, Paris, 2019, © MACs_Grand Hornu, Belgique, Photo by Philippe De Gobert
展示会概要
- 会期…2019年6月12日(水)~9月2日(月) 毎週火曜日休館
- 開館時間10:00~18:00
※毎週金・土曜日は、6月は20:00まで、7・8月は21:00まで
※入場は閉館の30分前まで - 会場…国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 - 主 催…国立新美術館、朝日新聞社
- 後 援…在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
- 協 力…アニエスベージャパン株式会社
巡回情報
大阪:国立国際美術館、 2019年2月9日(土)~2019年5月6日(月・休)
長崎:長崎県美術館、 2019年10月18日(金)~2020年1月5日(日)
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