青森県 十和田市現代美術館

青森県十和田市の十和田市現代美術館の外観

青森県の「十和田市現代美術館」は、「アートを通した新しい体験を提供する開かれた施設」として、Arts Towada計画の中核となる施設と位置付けられ、ここでしかみることができない38点の恒久設置作品が展示されている常設展は、草間彌生、ロン・ミュエクなど世界で活躍する33組のアーティストによるコミッションワークにより構成されています。

青森県十和田市の十和田市現代美術館の外観

青森県十和田市の十和田市現代美術館の外観

そんな十和田市現代美術館では、現在、『ラファエル・ローゼンダール:ジェネロシティ 寛容さの美学』展が開催されています

ラファエル・ローゼンダール展

ラファエル・ローゼンダール展

ラファエル・ローゼンダールさんは、インターネット空間を発想と表現の場とする、時代の最前線を走るアーティストの一人です。カラフルで美しく、楽しく、時に思索的でもある110のプログラム映像を掲載した彼のウェブサイトは、年間5000万のアクセス数を誇るとあり、ニューヨーク在住の「ヴィジュアル・アート」、デジタルアート界の第一人者です。

ウェブサイト+プログラム映像とある通り、基本的な閲覧方法はインターネットを経由したものです。

世界中を網羅するインターネットの中、彼の作品は私たちがアクセスしたい時にいつでもそこにあります。本展のタイトル「ジェネロシティ(寛容さ)」は、そのように誰にでも惜しみなく提供されているローゼンダールの芸術の本質を表しています。
ローゼンダールは、そのインターネットから出発した作品を、タペストリーやレンチキュラーといった平面作品のシリーズや、影を楽しむように作られた半立体作品、そして空間展示にも発展させてきました。さらに興味深いのは、英語俳句という言葉の芸術にも取り組んでいることです。ローゼンダールが試みているのは、いろいろな時と場所で、そしてさまざまな形で、彼のアイデアが姿を現す芸術のありようなのです。
このたび、十和田市現代美術館ではローゼンダールの世界観を、展覧会という形でお届けします。このようにローゼンダールが美術館で個展をするのは世界でも初めてのことです。大規模な映像インスタレーション、タペストリー作品、英語俳句、インタラクティブ映像の展示で構成し、ローゼンダールの芸術の豊かな広がりを表現します。

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アーティスト、ラファエル・ローゼンタールとは

Photography by Christina Latina

Rafaël Rozendaal  ラファエル・ローゼンダール

1980年オランダ生まれ/米国在住。インターネット・アートの代表的存在。シンプルな造形と動き、象徴的な色彩、遊び心に満ちたプログラム映像とインタラクションをウェブ上で発表し、それらを用いたインスタレーションや、絵画、タペストリー作品などを現実の展示空間でも展開してきた。ヴェネツィア・ビエンナーレをはじめとする世界的な国際展への出品、またポンピドゥーセンター(パリ)、ステデリック・ミュージアム(アムステルダム)等、著名な美術館での展覧会多数。中でも、2015年のニューヨーク、タイムズ・スクエアの電光掲示板を使ったインスタレーションは特に有名。日本との関わりも深く、2009年にAITレジデンシープログラム参加を皮切りに、Takuro Someya Contemporary Artでの個展(2010、2016、2017)、カルバン・クラインとのコラボレーションイベント(2012)、「セカイがハンテンし、テイク」(川崎市市民ミュージアム、2013)、茨城県北芸術祭(2016)で作品を発表。彼の俳句作品は2013年の展示をきっかけに始められた。

 

作家メッセージ

私は、ウェブサイトや俳句、インタラクティブ作品、テキスタイルなど、あるルールに基づいた環境の中で作られる表現に取り組んできました。つまり、私はずっと、異なるいくつかの仕組み(システム)について考え、そういう制限の中で自分の創造性を探求してきたのです。十和田市現代美術館の建築も、この考えを表しているように見えます。たくさんの展示室が廊下でつながったこの建築で、来館者が明るい廊下を渡って、部屋から部屋へと移動していくとき、脳や思考の違う部分同士が接続しあい、ひとつの世界そのものになっているように感じられます。そのため、十和田市現代美術館の建築は自分の作品にぴったり合うのではと考えました。この美しい美術館で展示できる機会をとても楽しみにしています。

 

展示の構成

十和田市現代美術館の正面出入口から右に進んだ企画展出入口から入り、企画展示室1~3で展示されており、それぞれ以下の通りです。

色面や、色と色の境界線が、さまざまな動きや変化を見せます。崩れ落ちていくものに見えたり、波のように見えたり、飛んでいる目玉焼きのように見えたりするでしょう。浮かんでくるいろいろなイメージを受け止め、味わい、時間のない空間に浸ってください。まずは説明なしで、ただ少しだけ長くそこにとどまって、目の前のものを見つめてみてください。

  1. ルッキング・アット・サムシング(セレクティッド・ウェブサイツ)…映像インスタレーション動く絵の作品が16本連続して現れる。色と形、動きがあなたの心にもたらす印象を楽しんでください。

  2. アブストラクト・ブラウジング…グーグルなど有名なウェブサイトの構造を抽出し、シャガード織の技術でタペストリーにしています。作家は機能による美学を透かしてみようとしています。

  3. Haiku…壁面にペイント、切り文字、「何年経っても詠まれた時の新鮮なイメージを保ち続ける」と、言葉の芸術、”俳句”に感銘を受けた作家が、英語で書いた俳句シリーズです。150余点の中から5点を展示。

  4. プリーズ・タッチ・ミー…映像インスタレーション。クリックすると、変化が現れる動く絵の作品です。色、形、動き、音が導き出す印象を楽しんでください。

     

ぜひ試したいプリーズ・タッチ・ミー

プリーズ・タッチ・ミーはウェブサイト経由で閲覧することが可能です。

特に2015年の作品、『ゴミ箱ループ』はムカつきます。

 trash loop .com

trash loop .com

 

十和田市現代美術館の常設コレクション

企画展のほか、十和田市現代美術館には魅力的な現代アートが収蔵されていますので、こちらもお楽しみください。

西洋風の庭に太った家と太った車。これらを設置したのはオーストリアの作家エヴィン・ヴルムです。通常、家や車は太ることはありません。しかし、太るという生物としての仕組みを、機械や建物に重ねることで、ヴルムは「私たちの当たり前」を裏切ります。このユーモラスな作品たちは、生活の基準となる価値や常識が、非常に曖昧なものであることを、私たちに教えてくれているようです。

西洋風の庭に太った家と太った車。これらを設置したのはオーストリアの作家エヴィン・ヴルムです。通常、家や車は太ることはありません。しかし、太るという生物としての仕組みを、機械や建物に重ねることで、ヴルムは「私たちの当たり前」を裏切ります。このユーモラスな作品たちは、生活の基準となる価値や常識が、非常に曖昧なものであることを、私たちに教えてくれているようです。

 

アート広場の一角に色鮮やかな水玉世界が現れました。カボチャ、少女、キノコ、犬たちの8つの彫刻群は、前衛芸術家・草間彌生の大規模な作品 《愛はとこしえ十和田でうたう》です。作品に足を踏み入れれば、自由で純粋な魂を持って創作を続ける作家の、底知れないエネルギーを感じることでしょう。永遠の命を吹き込まれた作品たちは、あらゆる境界を飛び越えて、十和田の街全体を生き生きと力強く鮮やかな世界に変えていきます。

アート広場の一角に色鮮やかな水玉世界が現れました。カボチャ、少女、キノコ、犬たちの8つの彫刻群は、前衛芸術家・草間彌生の大規模な作品 《愛はとこしえ十和田でうたう》です。作品に足を踏み入れれば、自由で純粋な魂を持って創作を続ける作家の、底知れないエネルギーを感じることでしょう。永遠の命を吹き込まれた作品たちは、あらゆる境界を飛び越えて、十和田の街全体を生き生きと力強く鮮やかな世界に変えていきます。

 

最初の展示室に足を踏み入れた瞬間、観客はロン・ミュエクの巨大な彫刻作品に遭遇します。高さ4メートル近くある女性像は、見る者を圧倒する迫力でたたずんでいます。憂いを含んだ風情はあまりにもリアルで、大きすぎるサイズのずれが、奇妙な感覚を覚えさせます。窓に顔を向けた彼女は、通り過ぎる何かを追いかけるように視線を走らせ、観客と目を合わすことはありません。けれど、刻々と移り変わる自然光を浴びた彼女は、見る角度によって様々な表情を見せ、やがて彼女の人生や人の生死について想像をめぐらすことになります。ただモノとしてある彫刻ではなく、その背後に多様なストーリーを喚起させる存在です。巨大な少年像《Boy》で世界中の注目を集めたミュエクは、肌、皺、透き通る血管、髪の毛の一本一本にいたるまで、人間の身体の微細な部分を克明に再現しながら、つねにスケールにおいて大胆な変化を加えた作品を発表してきました。初期の作品から、彼が描いているのは架空の人物です。

最初の展示室に足を踏み入れた瞬間、観客はロン・ミュエクの巨大な彫刻作品に遭遇します。高さ4メートル近くある女性像は、見る者を圧倒する迫力でたたずんでいます。憂いを含んだ風情はあまりにもリアルで、大きすぎるサイズのずれが、奇妙な感覚を覚えさせます。窓に顔を向けた彼女は、通り過ぎる何かを追いかけるように視線を走らせ、観客と目を合わすことはありません。けれど、刻々と移り変わる自然光を浴びた彼女は、見る角度によって様々な表情を見せ、やがて彼女の人生や人の生死について想像をめぐらすことになります。ただモノとしてある彫刻ではなく、その背後に多様なストーリーを喚起させる存在です。巨大な少年像《Boy》で世界中の注目を集めたミュエクは、肌、皺、透き通る血管、髪の毛の一本一本にいたるまで、人間の身体の微細な部分を克明に再現しながら、つねにスケールにおいて大胆な変化を加えた作品を発表してきました。初期の作品から、彼が描いているのは架空の人物です。

 

十和田市現代美術館の建築家は?

設計者は西沢立衛 (にしざわりゅうえ)さんという建築家です。石川県の「金沢21世紀美術館」の設計もされた方で、どことなく似通った印象を受けますね。

美術館の特徴は、個々の展示室を、「アートのための家」として独立させ、敷地内に建物を分散して配置し、それらをガラスの廊下でつなげていることです。

各展示室を独立配置させることで、それぞれのアート作品にあわせて建築空間をつくることができ、両者がより密接な関係を結ぶことができます。この分散型の構成は、広場と建物が交互に並ぶ官庁街通りの特徴から着想を得ており、アート作品と都市が有機的に混ざり合います。

そして、建物に大小のボリュームをつくることで、大小の建物が並ぶ通りの景観と連続性を持たせています。さらにこの分散配置は、屋外展示スペースやイベントスペースを生み出し、来訪者は屋内空間と屋外空間を同時に体験することができます。

また、アート作品が展示されるスペースはいろいろな方向に向かって大きなガラスの開口を持ち、アート作品が街に対して展示されているかのような開放的な構成となります。

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