3DCADから取扱説明書用のイラストを作る

Fusion360を使った3DCADのモデリング例

先ほど、白石君から「3DCADのデータから、テクニカルイラストレーションみたいな、取扱説明書用のイラスト(線画)を作るにはどうしたらよいか?」という質問を受けました。

テクニカルイラストレーションとは、各種工業製品などのカタログ、取扱説明書、特許図などに用いられる製品、部品などの立体図のことです。
色々な書き方がありますが、アイソメトリック図法が主ではないでしょうか。
アイソメトリック図法とは、立体を斜めから見た図を表示する方法のひとつで、等角投影図のことです。
X,Y,Z 軸がそれぞれ等しい角度120度間隔で見える角度で立体を投影(作図)する方法です。
当時はこれを手描きで描き、イラストレータでトレースしていたので、とても時間がかかりました。(楽しいですけど)

今は全く違う仕事をしているので、3DCADなんて使っていませんでしたが、商品開発をする中小企業では、商品開発と仕様書や取扱説明書や組立説明書などを一人で担当することがあります。

かつては「SketchUp」という3DCADを使って、商品のデザインをしていましたが、大きな流れとしては、以下の通りです。

  1. 3DCADデータのお好きな構造で、すべての塗りを「白」にする。
  2. 書き出しで、「dwg」、「pdf」などで出力する。
  3. 出力されたデータをAdobeのイラストレーターで開く。
  4. 外側の主線を強調するため、コピーして、中の線を適当に消し、外の線が残るようにする。
  5. 外線のみの線種を倍程度に太くし、オリジナルイラストに重ねる。 以上

久しぶりにやってみようと思ったのですが、これはPro版でしかできないようです。
何年も使っていなかったので、更新ができておらず、アップデートもできませんでした。

そこで、白石君の使っているAUTODESK社製のFusion360という、実質無料の3DCADを使って試してみたいと思います。

まずは、3DCADで商品を作ります。

fusion360で線画を作るワークショップの下書き

fusion360で線画を作るワークショップの下書き

どこかで見たことあるデザインかもしれませんが、気にしてはいけません。
外観の色は適当に付けています。

Fusion360を使った3DCADのモデリング例

Fusion360を使った3DCADのモデリング例

その後、モデル→図面→デザインからを選択します。↓↓↓

Fusion360を使ったモデリング例 その2

Fusion360を使ったモデリング例 その2

画面を制作というコマンドが出てきますので、赤枠の設定でOKしましょう。↓↓↓

Fusion360を使ったミニオンズによく似たモデリング例

Fusion360を使ったミニオンズによく似たモデリング例

さらにその後、画面ビューで、赤枠のように設定します。
方向は斜めから見た図にしたいので、適当に選んでください。
スタイルは一番左の表示エッジにすると、白黒の線画になりますし、シェーディングを選べば、色が付いた状態となります。

Fusion360を使って商品の組立図のような線画を作る

Fusion360を使って商品の組立図のような線画を作る

最後に上の出力コマンドでPDFで出力したものを、イラストレータで開けば、だいたい完成です。
SketchUpの時と同じように、一番外側の線を太くすることで、だれでも簡単に取扱説明書用のイラストを描くことができます。

Fusion360で白黒の線画を作る方法

Fusion360で白黒の線画を作る方法

参考までに、イケアは組立式の家具を販売していますが、どこの国でも共通の組立説明書を使っているため、言語がなくても組み立てられるように、イラストだけで説明しています。
イラスト自体は、テクニカルイラストレーション風に描かれており、パースが付いていない分、ちょっとクールじゃないのですが、当時はグローバルスタンダードを感じました。
イケアの商品展開戦略についての考察はまた後日。

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