映画『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』が、2018年9月上旬よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開となるそうです。
グッゲンハイム財団といえば、以前「一級建築士がオススメの美術館(外側の話)」でも書いたのですが、ニューヨーク、ヴェネツィア、ビルバオ、アブダビにミュージアムを持つ財団です。ソロモン・R・グッゲンハイムの姪であるペギー・グッゲンハイムさんの集めたアートコレクションは、ヴェニスの「ペギー・グッゲンハイム・コレクション」が良く知られています。
ヴェネツィアのサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂とアカデミア美術館の間に位置するペギー・グッゲンハイム・コレクションは、20世紀のキュビズムやシュルレアリスムから抽象表現主義の作品など、現代アートを中心に、ペギー・グッゲンハイムの個人的なコレクションで構成されています。
ペギー・グッゲンハイムさん(1898–1979)は、ソロモンさんの兄弟であるベンジャミン・グッゲンハイムさん(1865 – 1912)の娘です。お父さんはタイタニックの事故でお亡くなりになったようです。21歳にして約40億円という財産を受け継いだペギーさんですが、お父さんがそれほど資産を残していなかったため、莫大な資産を持つ親戚の中では、財産が少なかったようです。
徐々にアヴァンギャルドに魅了されていったペギーさんは、どんどんアートの交友を広げていき、1920年にはパリに移り住み、当時、貧しい地域であったモンパルナス(オススメ映画はこちら)に住む作家と仲良くなっていったのです。写真家のマン・レイ、彫刻家のコンスタンティン・ブランクーシ、現代アートに決定的な影響を与えたマルセル・デュシャンなどそうそうたる名前が連なります。彼女は多くのアーティストを支援してきたのですが、一方で、多くの恋愛遍歴もあったようです。
映画『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』は、そんなペギー・グッゲンハイムさんの生前のインタビューに基づき、芸術家を支援し、そして数多くの恋愛遍歴を重ねたその人生をひも解いていくドキュメンタリー映画です。
2015年/アメリカ/96分/カラー/DCP/原題:PEGGY GUGGENHEIM ART ADDICT
●監督:リサ・インモルディーノ・ヴリーランド(『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ(2011)』)
●製作:スタンリー・バックタール、デイビッド・コー、ダン・ブラウン、リサ・インモルディーノ・ヴリーランド
●撮影:ピーター・トリリング
●音楽:スティーブン・アーギラ
●編集:バーナディン・コーリッシュ、ジェッド・パーカー
配給:SDP 宣伝:プレイタイム
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